今回ご紹介するのは、9歳のメスのうさぎさんです。
飼い主様は避妊手術をご希望され、当院へ来院されました。

うさぎの避妊手術は、繁殖を防ぐ目的だけではなく、将来的な子宮疾患の予防という意味でも重要な処置です。
今回も避妊手術に向けた診察を行う中で、腹部の触診を実施したところ、通常の避妊手術を希望されるうさぎさんではみられない大きな腫瘤(しこり)が確認されました。

触診の結果から、子宮に何らかの異常が起きている可能性が考えられたため、飼い主様へ状況をご説明し、詳しく調べるために各種検査を進めることとなりました。

うさぎの子宮腫瘍は珍しい病気ではありません

うさぎは子宮の病気が非常に多い動物として知られています。
特に避妊手術を受けていないメスうさぎでは、高齢になるにつれて子宮腺癌(子宮がん)の発生率が高くなることが報告されています。

しかし、うさぎの子宮腫瘍は初期症状がほとんど見られないことも多く、飼い主様が異変に気付いた時には病気が進行しているケースも少なくありません。

症状が進行すると、

  • 血尿のような出血
  • 食欲低下
  • 元気消失
  • お腹の張り

などの症状がみられることがあります。

うさぎの子宮腫瘍は早期発見が重要です

うさぎは体調不良を隠す傾向がある動物です。
野生では弱っている姿を見せることが外敵から狙われるリスクにつながるため、病気や痛みがあっても普段と変わらないように見えることがあります。

そのため、飼い主様が「少し元気がない」「食欲が落ちた」と感じた時には、すでに病気が進行しているケースもあります。
特に子宮腫瘍は、初期では目立った症状が出にくいです。

定期的な健康チェックや避妊手術について早めに相談することで、病気の早期発見や予防につながる可能性があるでしょう。
今回の患者さんも、避妊手術の相談がきっかけとなり、子宮の異常を発見することができました。

次回は実際に行った検査内容や、どのように子宮腫瘍を診断していったのかについてご紹介します。