― 猫(みーにゃん)を見送って ―

先日、20年病院で飼っていた猫(みーにゃん)を見送りました。
彼が旅立った部屋の静けさは、これまでに感じたことのないほど深く、
胸の奥がぽっかりと空いたようでした。

みーにゃんは、普段は病院の休憩室で過ごしていました。
彼がまだ若い時は輸血にも協力して活躍してくれたスタッフでした。
晩年になると、糖尿病によって毎日インスリンを打つこととなりました。
それでも元気いっぱいに過ごすみーにゃんはスタッフの癒しとなっていました。
スタッフが来ると必ずお出迎えをしてすり寄ってくれるとてもいい子でした。
休憩室のドアをいきなり開けてしまうと、みーにゃんにぶつかってしまうので休憩室のドアはゆっくりと開けるのが病院スタッフの暗黙のルールでした。

💭 ペットロスとは

ペットロスとは、ただの「寂しさ」ではありません。
大切な家族を失ったときに生まれる、深い悲しみや後悔、喪失感のことです。
「もっとできることがあったのでは」と自分を責めたり、
ふとした瞬間に涙が溢れてしまったり…。
これは誰にでも起こる自然な感情で、決して弱さではありません。

悲しみを無理に隠したり、「もう泣かないようにしよう」と我慢するよりも、
「悲しい」と素直に受け止めることが、心を癒す第一歩だと感じました。


🌸 少しずつ、前を向けるようになるまで

いつもなら休憩室のドアを開ける時は、みーにゃんが「出待ち」をしていることがあるため、ゆっくりと開けていました。
けれど、そこにはみーにゃんはいませんので、「普通の扉のように」ドアを開けます。
当院ではみーにゃんが夜でも過ごせるように、帰る最後のスタッフは休憩室のダウンライトはつけて帰るというルールがありました。
一人で退勤する時に、今でもふと、いつものようにダウンライトをつけてしまいます。
そして思い出したようにダウンライトを消して、暗闇の休憩室を作り帰ります。
どれも現実を突きつけてくるようで、心が痛みました。

みーにゃんが亡くなってから歴代の当院で過ごした動物が眠っているお墓、深大寺動物霊園に行って参りました。
「また会えたね」と声をかけ、手を合わせました。


🕯️ 同じ経験をした人へ

ペットを失った悲しみは、時間が解決してくれるものではありません。
でも、時間がその痛みを“優しい思い出”に変えてくれると感じます。
無理に忘れようとせず、
「ありがとう」と何度でも言葉にしてください。
それが、あなたの心の中に生き続けるペットへの、何よりの贈り物です。


🌈 おわりに

みーにゃんは、病院スタッフにたくさんの愛と幸せをくれました。
悲しみの先には、「出会えたことへの感謝」が待っています。
そしてその感謝が、次の一歩を踏み出す力になると信じています。