デグーが普段と違ってよだれを垂らしている場合、健康上の問題が隠れている可能性があります。
デグーは捕食されやすい動物のため、体調不良を隠す習性があります。
よだれは「異常の初期サイン」になりやすいため、原因を理解し早めの対応が大切です。

デグーのよだれの主な原因

① 歯のトラブル(不正咬合・過長歯)

当院に来院するデグーがよだれを垂らす理由の90%以上がこれにあたります。
デグーは一生歯が伸び続ける動物です。牧草などを十分にかじれていないと、前歯(切歯)や奥歯(臼歯)が伸びすぎて、自分の頬に歯が刺さってしまい、口を動かすたびに痛みを感じるようになります。
食欲が落ちている、かじるのを嫌がる場合も要注意です。
重度だと歯の根が伸びてしまい鼻涙管を損傷させて涙が出ることもあります。
治療については歯を削る手術が必要です。

② 口内炎や口腔内の感染症

傷や細菌感染により口内炎が起きると、口の中が痛くてうまく飲み込めず、よだれが出やすくなります。
歯のトラブルが原因となることもあります。

③ 熱中症や体調不良

高温多湿の環境ではデグーは熱中症になりやすく、呼吸が荒くなったりよだれが出ることがあります。
ぐったりしている、呼吸が速いなどの症状がある場合は緊急性が高いです。

④ 中毒や異物の摂取

観葉植物、洗剤、床材などをかじってしまい中毒や口の炎症を起こすとよだれが出ることがあります。

⑤ ストレスや痛み

強いストレスや体の痛み(内臓疾患など)が原因で、唾液が増えたり口をくちゃくちゃさせることもあります。

飼い主がすぐに確認・対応できること

  • 食欲・体重のチェック:急な体重減少は要注意。毎日体重測定をすると安心です。
  • 口周りの観察:歯が伸びすぎていないか、よだれが毛を濡らしていないか確認しましょう。
  • 環境の見直し:室温は20〜25℃、湿度40〜60%を目安に。暑さ対策やケージの安全確認も重要です。
  • 危険なものをかじれない環境づくり:観葉植物、コード、プラスチックなどの誤食を防ぎましょう。

ただし、自己判断で処置をせず、早めに動物病院へ相談することが重要です。

動物病院を受診すべきタイミング

  • よだれが続く・悪化している
  • 食欲不振や体重減少がある
  • 呼吸が速い、ぐったりしている
  • 口元が赤く腫れている、血が混じる

これらの症状がある場合は、早急な診察が必要です。歯の処置や口腔内の治療、薬の投与などを行うことで改善が見込めることがあります。