ウサギの足底潰瘍(ソアーホック)は、ウサギの後ろ足のかかと部分(足底部)に炎症や潰瘍ができる状態です。特にレックス種など、被毛が薄い品種に多く見られます。放置すると感染が進み、痛みや歩行困難、重症化すると骨にまで影響する可能性があります。
✅ ウサギの足底潰瘍(ソアーホック)の原因
1. 🏠 不適切な床材・ケージ環境
- ワイヤーメッシュや硬い床は足裏に過度な圧力をかけ、皮膚を損傷します。
- 湿度が高い環境や床の汚れは、細菌感染を助長し、潰瘍形成のリスクを増大させます。
2. ⚖️ 肥満による過度な足裏負担
- 体重増加は足裏にかかる圧力を増加させ、皮膚の炎症や損傷を引き起こします。
- 肥満ウサギは活動量が低下し、血流が悪化するため、潰瘍が悪化しやすい状態に。
3. 🧬 遺伝的要因・品種特性
- レックス種やミニレッキスなど、足裏の被毛が薄い品種はソアーホックになりやすい傾向があります。
- また、骨格や足裏構造の異常も発症リスクを高めます。
4. 💤 運動不足
- ケージ内に運動スペースが少ない場合、足裏の血流が悪化し、皮膚の損傷リスクが高まります。
- 同じ姿勢が長時間続くことで、足裏にかかる圧力が一定となり、局所的な潰瘍形成を促進。
🩺 ソアーホックの診断と治療法
🔍 1. 診断ポイント
- 視診による足底部の赤み・脱毛・腫脹の確認。
- 重症例では、潰瘍・出血・膿瘍形成が見られることも。
- 必要に応じて、X線検査で骨髄炎の有無を確認。
💊 2. 治療アプローチ
🧼 (1) 環境改善
- ケージ床材をワイヤーメッシュから柔らかいマット(タオル・ウレタンマット・ペット用パッド)に変更。
- 湿度管理(40~60%)と清掃を徹底し、乾燥・清潔な環境を維持。
💉 (2) 局所治療・外用薬
- 軽度の場合、抗生物質入り軟膏(ゲンタマイシン軟膏など)やステロイドクリームを塗布。
- 重症例では包帯を巻き、ウサギが舐めないように専用プロテクターを装着。
🔬 (3) 感染管理・内科的治療
- 細菌感染が認められる場合、抗生物質の全身投与を実施。
- 痛み管理にはメロキシカムなどの**NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)**を使用。
🪡 (4) 外科的介入(重症例)
- 膿瘍形成や骨髄炎が進行した場合、壊死組織を除去するための手術を実施。
- 術後は、抗生剤投与とともに定期的な包帯交換が必要。
🚧 再発予防とケアのポイント
🌱 1. 床材・環境管理
- 足裏への負担軽減のため、ウレタンマットや人工芝など、柔らかい床材を選択。
- 毎日の清掃で細菌繁殖を防ぎ、週1回は消毒を実施。
⚖️ 2. 体重管理・栄養指導
- 繊維質中心(チモシー干し草)の食事で、肥満防止。
- 飼い主に定期的な体重測定を指導。
🏃 3. 運動量の確保
- 1日2~3時間の自由運動を推奨し、血流を改善。
- ケージ内にステップやトンネルを設置して活動的な環境を提供。
👀 4. 定期的な健康チェック
- 飼い主に対して、週1回の足裏チェックを促す。
- 皮膚の赤みや脱毛を早期に発見することで、進行前に治療介入可能。
🎯 まとめ
ウサギの足底潰瘍(ソアーホック)は、床材・体重・運動量・品種特性など複数の要因が絡み合って発生します。早期発見・環境改善・適切な薬物治療を行うことで、ウサギのQOL(生活の質)を維持してゆきましょう。