
犬の体をなでていると、しこりやできものに気づいて不安になったことはありませんか。このまま様子見で大丈夫なのか病院に連れて行くべきか悩む飼い主も多いのではないでしょうか。
犬のできものは、虫刺されや炎症のように心配なものもあれば、早めに受診が必要なケースもあります。しかし、見た目や色や大きさだけで判断するのは難しく、間違った対応をしてしまうリスクも否定できません。
本記事では、犬にできものができたときの危険なサインの見分け方や受診の目安をわかりやすく解説します。愛犬の健康を守るために、正しい対処法を知っておきましょう。
犬にできものができる主な原因
犬にできるしこりやできものは、ひとつの原因だけでなく、さまざまな要因が重なって発生します。なかには心配のないものもありますが、原因によっては注意が必要なケースもあるため、基本的な傾向を知っておくことが大切です。
ここでは、犬にできものができやすくなる主な原因について解説します。
加齢による変化
犬のできものは、加齢によってできやすくなる傾向があります。年齢を重ねると細胞組織の働きが変化し、体の中で異常が起こりやすくなるためです。
実際に、シニア犬になると脂肪腫などの良性腫瘍だけでなく、さまざまなできものが見られることも珍しくありません。そのため、年齢が上がるほど体の変化に気づけるように、普段の何気ないスキンシップをより大切にしたいですね。
体質や犬種による影響
犬のできものは、体質や犬種によってもできやすさに違いがあります。これは、生まれ持った体質や皮膚の特徴などが関係しているためです。
例えば、脂肪腫ができやすい犬種や皮膚トラブルが起こりやすい犬種もおり、同じ生活環境でも発生しやすさに差が見られることも少なくありません。そのため、愛犬の体質や特徴を理解したうえで、ブラッシングや抱っこの際に体を軽く触る習慣をつけておくと安心でしょう。日々のスキンシップの中で、自然と小さな変化にも気づきやすくなります。
免疫力低下と皮膚トラブルや外的刺激
免疫力の低下や皮膚トラブル、外的な刺激もできものの原因になることがあります。免疫力が落ちると体の修復機能がうまく働かず、異常が起こりやすくなるためです。また、かゆみや炎症が続くことで皮膚にダメージが蓄積し、できものにつながることもあります。
ノミやダニ、アレルギーによるかゆみで同じ場所を引っかき続けると、皮膚に負担がかかりやすくなります。
そのため、日常的にかゆがる様子や同じ場所をしきりに気にしていないかを観察し、赤みや異変が見られた場合は無理に対処せず、必要に応じて動物病院に相談すると安心です。
歯周病など口内環境の悪化
歯周病など口内環境の悪化も、歯茎にできものができる原因のひとつです。歯石の蓄積や歯周病によって炎症が起こると、歯茎が腫れたり、しこりのような変化が見られることがあります。
特に口の中は普段あまり見る機会がなく、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。よだれが増えたり、口臭が強くなったりする場合は注意が必要です。
そのため、歯磨きやガムなどで口内環境を整えることに加え、食べにくそうな様子や口臭の変化など、日常のちょっとしたサインにも気づけるようにしておくと安心です。
犬のできものはどこにできる?

犬のできものは、体の表面だけでなく、さまざまな場所にできる可能性があります。見つけやすいものもあれば、気づきにくい場所にできることもあるため、日頃のスキンシップやちょっとした変化に気づくことが大切です。
皮膚にできる場合の特徴
犬のできものは、皮膚にできるケースが多く、比較的気づきやすいのが特徴です。体をなでたときにしこりやふくらみとして触れることで発見されることが多いためです。
実際に、背中やお腹、脇の下など、普段のスキンシップの中で見つかるケースも少なくありません。そのため、特別なチェックをしなくても、日常的に体に触れる習慣をつけておくことで、早めに気づける可能性が高まります。
歯茎や口の中にできる場合の特徴
一方で、歯茎や口の中にもできものができることがありますが、こちらは気づきにくいのが特徴です。口の中は普段あまり見る機会がなく、犬自身も違和感をうまく伝えられないためです。また、口の中にできるできものは危険なのではないかと不安に感じる人もいるかもしれません。実際に皮膚に比べて注意が必要なケースもありますが、すべてが危険というわけではありません。
例えば、口臭が強くなったり、食べにくそうにしていたり、よだれが増えるといった変化が見られることがあります。
そのため、口の中を無理に確認しようとするのではなく、こうした日常の様子の変化に気づいたときは、早めに動物病院に相談すると良いでしょう。
犬のできものの色でわかる特徴
犬のできものは、赤や黒、白などさまざまな色に現れることがあります。色によってある程度の傾向はありますが、見た目だけで安全かどうかを判断することはできません。
ここでは、それぞれの色の特徴についてわかりやすく解説します。
赤いできものの特徴
赤いできものは、炎症や感染が関係しているケースが多いです。皮膚が刺激を受けたり、細菌や虫刺されなどによって炎症が起こると、赤く腫れあがることがあります。
実際に、かゆみや痛みを伴い、犬が気にして触ったり舐めたりする様子が見られます。そのため、赤みが広がっている場合や、強くかゆがる様子が見られる場合は、無理に触らず様子を見たり、必要に応じて動物病院に相談すると安心です。
黒いできものの特徴
黒いできものは、色素沈着やイボのような良性のものもありますが、注意が必要なケースもあるため慎重に見る必要があります。見た目が似ていても原因が異なることが多く、色だけで判断するのが難しいためです。特に、悪性腫瘍の可能性が含まれるケースもあることから、他の色と比べてより注意して観察することが大切です。
例えば、急に大きくなったり、形がいびつになっている、表面だけただれているといった変化が見られる場合は注意が必要です。
そのため、黒いできものを見つけた場合は放置せず、大きさや形の変化を確認しながら、少しでも不安があれば、早めに動物病院に相談すると安心です。
白・ピンクのできものの特徴
白やピンクのできものは、比較的やわらかい良性の腫瘍であることが多いとされています。脂肪腫などはやわらかく、触ると動くような感触があるためです。
そのため、大きさや硬さに変化がないかを確認しつつ、気になる場合は早めに動物病院で見てもらうと安心です。
ただし、見た目が似ていても異なる性質を持つ場合もあるため、自己判断は避ける必要があります。
特に肥満細胞腫と呼ばれる癌(肥満細胞由来のものであり、脂肪種とは全く別のものです。)は「偉大なる詐欺師」と呼ばれるほど様々な形態をとりますので、自己判断での様子見は危険です。
危険なできものの見分け方と受診の目安

犬のできものは見た目だけで判断することは難しく、どのタイミングで受診すべきかと悩む方も多いのではないでしょうか。
色によってある程度の傾向はありますが、この色が一番危険といった明確な基準はありません。ただし、黒いできものは見た目だけで判断が難しいケースもあるため、他の色と比べて注意して観察することが大切です。
すべてが危険というわけではありませんが、なかには早めの対応が必要なケースもあります。
ここでは、受診を検討する目安となるポイントについて解説します。
急に大きくなる
できものが短期間で大きくなる場合は、注意が必要です。一般的に、急激な変化が見られる場合は体の中で何らかの異常が起きている可能性があるためです。
気づいた時より大きくなっていると感じた場合は、見た目の変化がなくても安心せず、様子を見ることが大切です。
そのため、変化に気づいた時点で早めに動物病院で診てもらうと安心です。
硬くて動かない
触ったときに硬く、指で押しても動かないできものは注意が必要な場合があります。やわらかく動くものに比べて、性質が異なるケースがあるためです。
実際に、しこりのようにしっかり固定されている場合は違和感を覚える飼い主も多いでしょう。
そのため、違和感を覚えた場合は、まずは変化がないかを注意して観察しておくことが大切です。
出血・ただれがある
できものの表面に出血やただれが見られる場合は注意が必要です。皮膚の炎症だけでなく、状態が進行している可能性も考えられます。
特に、触っていないのに出血している場合や、ジュクジュクしている場合は異常のサインといえます。
そのため、無理に触らず、早めに動物病院で診てもらうことが大切です。
痛がる・元気がない
触ると嫌がったり、元気や食欲が落ちている場合も注意が必要です。できものが体に負担をかけている可能性があります。
例えば、触ろうとすると逃げたり怒るような仕草を見せる場合はその部分に違和感があると考えられます。また、普段より動きが少ない、食べる量が減るといった変化は、体調不良のサインかもしれません。
そのため、普段との違いを感じた場合は、早めに相談すると安心です。
1~2週間たっても変化がない
できものがなかなか治らず、1〜2週間経っても変化が見られない場合は、一度受診を検討しましょう。自然に治るものもありますが、見た目だけで判断するのは難しいためです。
様子を見ているけれど変化がないと感じた時が、受診のタイミングのひとつといえます。
そのため、様子を見ているけれど変わらないと感じた場合は、一度診てもらうことを検討しましょう。
自宅でできるチェック方法

犬のできものは、日頃のちょっとした観察で変化に気づけることもあります。無理に詳しく調べる必要はなく、普段のスキンシップの中で確認することが大切です。
また、無理に触ったり自己判断するのではなく、あくまで変化に気づくためのチェックとして行うことも大切です。
大きさ・硬さ・位置を確認と触ったときの反応をみる
できものを見つけたら、大きさや硬さ、位置、触ったときの反応を軽く確認しておきましょう。これらの特徴を把握しておくことで、変化があったときに気づきやすくなるためです。
例えば、以前より多くなっていないか、触ると硬いかやわらかいか、同じ場所を気にしていないかといったポイントを意識するだけでも十分です。
そのため、無理に詳しく調べる必要はありませんが、普段のスキンシップで軽く様子を見ておくと安心でしょう。
写真やメモで記録する
できものの状態は、写真やメモに記録しておくと変化が把握しやすくなります。時間が経つと大きくなっているかどうかわかりにくくなるためです。
スマホで写真を撮っておいたり、気づいた日や大きさの目安を簡単にメモしておくだけで十分です。
そのため、少しでも気になる場合は記録を残しておくことで、受診の判断にも役立ちます。
やってはいけない行為

犬のできものを見つけたとき、良かれと思って行った行動が、かえって悪化させてしまうこともあるでしょう。
ここでは、避けたほうが良い行動について解説します。
自分で潰す
できものを無理に潰すのは避けましょう。細菌が入り込んで炎症を起こしたり、状態が悪化してしまう可能性があるためです。
見た目が気になっても、自己判断で処置するのではなく、自然な状態を保つことが大切です。
人間の薬を使う
人間用の塗り薬や飲み薬を使用するのは控えましょう。犬にとっては成分が強すぎたり、体に合わない場合があります。
症状が気になる場合は、市販薬を使うのではなく、動物病院に相談することが大切です。
長期放置する
そのうち治るだろうと思って長期間放置するのも避けましょう。軽い症状に見えても、時間の経過とともに悪化する可能性があるためです。
気になる状態が続く場合は、様子を見すぎず、一度相談することを検討しましょう。
まとめ

犬のできものは、加齢や体質、皮膚のトラブルなどさまざまな原因で発生します。皮膚だけでなく、歯茎や口の中など見えにくい場所にもできることがあるため、日頃のスキンシップや様子の変化に気づくことが大切です。
また、できものは赤・黒・白など色によってある程度の傾向がありますが、見た目だけで判断することはできません、特に黒いできものは判断が難しいため、変化がないか注意して観察することが重要です。
急に大きくなる、硬くて動かない、出血やただれがある、痛がる・元気がないといった変化が見られる場合は、早めに動物病院で診てもらうことを検討しましょう。
無理に対処しようとせず、普段のスキンシップの中で大きさや様子を確認し、気になる変化があれば記録を残しておくと役立ちます。なお、虫刺されや軽い炎症などの場合は、1週間程度で自然に落ち着くこともあります。
愛犬の健康を守るためにも、気になるできものを見つけたときは1人で悩まず、必要に応じて動物病院に相談することが大切です。

