こんにちは、みなさん!

今回は、私たちが普段耳にする小鳥の鳴き声について、わかりやすくお話しします。

小鳥たちはどんなふうにして鳴いているのか、そしてその鳴き声にはどんな意味があるのか、一緒に探ってみましょう。

小鳥の発声の仕組み

まず、小鳥たちがどうやって鳴き声を出しているのかについてお話しします。

小鳥の声は、「鳴管」という特別な器官で作られます。これは、人間の声帯とは違う仕組みです。

鳴管は気管支の近くにあり、ここを空気が通ると音が出ます。鳴管には左右に一対の「ひだ」があり、これが振動して音を作り出します。

面白いことに、小鳥たちはこのひだを自由に動かして、複雑な音を作ることができるのです。

さえずりと地鳴き

小鳥の鳴き声には、大きく分けて「さえずり」と「地鳴き」の2種類があります。

さえずりは、「歌」とも呼ばれ、求愛や縄張りを主張するために使われます。例えば、ウグイスの美しいさえずりは、他のオスに自分の縄張りを知らせるためのものです。

一方、地鳴きは「コール」とも呼ばれ、短くてシンプルな鳴き声です。地鳴きには警戒を呼びかける声や、仲間とのコミュニケーションをとる声など、さまざまな意味があります。

小鳥の鳴き声の学習

小鳥たちの鳴き声は、生まれたときから持っているわけではありません。彼らは親の鳴き声を聞いて学び、自分の鳴き声を練習します。

この学習過程は「発声学習」と呼ばれ、人間の言葉を学ぶプロセスに似ています。例えば、ジュウシマツという鳥は、生後25日から60日の間に親の歌を聞いて記憶し、その後、自分で鳴き声を練習します。

この期間に歌を学ばないと、適切な鳴き声を出すことができなくなるのです。

鳴き声と情動

さて、小鳥たちの鳴き声には、彼らの感情や内的な状態が反映されているのでしょうか?

研究によれば、危険を感じたときには鋭くて強い鳴き声(ディストレスコール)を出し、安心しているときには穏やかな鳴き声を出すことがわかっています。例えば、キンカチョウという鳥は、社会的に孤立すると不安を感じ、鳴き声が変わります。このように、小鳥たちの鳴き声には、彼らの感情が反映されているのです。

鳴き声の機能

小鳥たちの鳴き声には、さまざまな機能があります。

オスの小鳥は、メスに対して求愛のために美しいさえずりをします。また、縄張りを守るために他のオスに対して警戒のさえずりをすることもあります。

さらに、群れの中でのコミュニケーションにも鳴き声が使われます。例えば、仲間との距離を保つためのコールや、捕食者から逃れるための警戒コールなどがあります。

未来の研究

小鳥たちの鳴き声の研究はまだまだ進んでいない部分も多く、これからの研究が期待されています。

例えば、なぜ小鳥たちのさえずりには地域ごとの違いがあるのか、メスはどのようなさえずりを好むのかといったことは、まだ十分に解明されていません。

また、小鳥たちの情動が鳴き声にどのように反映されているのかを詳しく調べることも、今後の課題です。

まとめ

今回のコラムでは、小鳥たちの鳴き声の仕組みや意味についてお話ししました。

小鳥たちの鳴き声には、彼らの感情や内的な状態が反映されており、さまざまな機能を持っています。小鳥たちの鳴き声を通じて、彼らの世界をより深く理解することができるのは、とても面白いことですね。

これからも小鳥たちの声に耳を傾けてみてください。新しい発見があるかもしれませんよ。

参考文献

・橘亮輔(東京大学). 小鳥の音声が伝えるもの. 日本音響学会誌 79 巻 1 号(2023),pp. 28–33

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/79/1/79_28/_pdf, (2024-07-20).