1. ステロイドとは?猫に使われる理由

ステロイド(副腎皮質ホルモン)は、猫の治療で広く使われている薬のひとつで、炎症を抑える作用や免疫の働きを調整する効果があります。

特に皮膚炎、アレルギー反応、炎症性腸疾患、自己免疫疾患、リンパ腫の補助療法など、さまざまな病気に用いられます。

2. 猫にステロイドを使うメリット

• かゆみ・炎症・痛みの早期改善

• 嘔吐・下痢を伴う腸炎症状のコントロール

• 免疫異常による疾患への対応

• QOL(生活の質)の向上

猫はストレスに敏感な動物なので、不快な症状を早期に改善することは、精神的な安定にもつながります。

3. よく見られる副作用とその対応

猫にステロイドを使用すると、以下のような変化が出ることがあります:

• 食欲の増加

• 多飲多尿(お水をよく飲み、おしっこの量が増える)

これらの反応は比較的よくあるもので、一時的な場合が多く、特に短期使用であれば大きな問題となることは少ないとされています。

4. 長期投与で注意すべき副作用と「長期」の定義

■ 長期投与とは?

一般的に、3〜4週間以上の継続使用が「長期投与」とされ、副作用のリスクが徐々に高まってきます。

■ 長期使用で起こりうる副作用

• 糖尿病のリスク上昇(特に中高齢の猫)

• 皮膚の薄化、脱毛

• 筋肉量の低下

• 感染症への抵抗力の低下

• 肝機能や腎機能への影響(まれ)

• 血栓症のリスク(特に高齢猫や基礎疾患のある場合)

中でも血栓症は、ステロイドの免疫調整作用や血管への影響により、血流が滞ることで起こる可能性がある副作用のひとつです。まれではありますが、心疾患や高脂血症などの基礎疾患を持つ猫では注意が必要です。

なお、これらの副作用は高用量・長期間の投与時に起こる傾向が強く、短期間・低用量での使用では問題となることはほとんどありません。

5. ステロイド使用時の注意点と飼い主様にできること

• 急に薬を中止しないこと(体のバランスが崩れるため、徐々に減らす必要があります)

• 猫の体調・食欲・トイレの様子を日々チェック

• 定期的な血液検査・診察で安全に使用

• 食欲の異常増加や体重変化があれば獣医師に相談

猫は犬よりも変化を見せにくい動物ですが、些細なサインを見逃さないことが重要です。

まとめ|猫のステロイド治療は効果と安全性のバランスがカギ

ステロイドは、猫にとっても効果的で頼れる治療薬です。

副作用を気にして必要な治療を避けるよりも、獣医師と相談しながら正しく使うことが最も大切です。

不安なことがあれば、いつでも遠慮なくご相談ください。