6歳のミニチュアダックスフントちゃんです。
昨日の夜もしくは今日の午前10時くらいにプラスチックを食べてしまったかもしれない。
とのことで来院しました。

当院での治療

①様子を見る
②吐かせる注射をすることによって吐くかどうか試す

の二つの対処法があります。
①は1−3日ごに便として出てしまえば治療終了です。
ただし、腸を通る過程でお腹の中を傷つけてしまったり、食べたものが大きい、あるいは引っかかったりした場合は全身麻酔での手術が必要になることがあります。
②の場合は薬なのでまれに効かない子がいます。感覚的には90%くらいの確率で吐かせることができます。
また、薬の副作用で痙攣することがあるとされています。(私はみたことはありません)
しかし、例えば尖っているなどプラスチックの形状によって、
吐かせると胃や食道を傷つける恐れのある場合は使うことができません。
さらにたとえば1日など、あまりにも時間が経っている場合は使うことができません。

今回は吐かせる薬を静脈から注射することを選択しました。

この子の場合、一度目の注射ではあまり効果がなかったようなので、3回の注射を行うことでようやく吐いてくれました。

(ここから吐いたものの写真がありますので、苦手な方は閲覧を控えてください。)
赤と黄色の破片が誤って食べてしまったものです。

その後、点滴を胃酸を抑制する注射を打って帰宅しました。
処置自体はあまり時間はかからず、来院からお会計を終えるまでの滞在時間は40分ほどでした。

吐いた後の本人の様子です。左手に巻いてあるものが静脈に注射をするためのカテーテルです。
スッキリした様子でした。

飼い主さんに知っていただきたいこと

間違って人工物を食べてしまった際に必ずお伝えしていることがあります。
それは
「異物をたべてしまった」ことと「病院に連れてこられて吐かされた」
ことはこの子たちの中では全く繋がっていません。
「なんだかよく変わらないけど、気持ち悪くなったから吐いた」
としか思っていません。
ですのでおそらくまた同じことをします。
今回はこの子では届かないテーブルの上にプラスチックを乗せていたようです。
しかし椅子をしまい忘れてしまったことで、テーブルの上に乗り、食べてしまったようです。
この子が亡くなるまで、家族全員が一度も椅子を戻し忘れないことなんてあるでしょうか。
1ヶ月くらいならできるかもしれませんが、10数年となるとどうしても一回くらいは忘れてしまいます。

そもそもテーブルの上にものを置かない ように心がけてくださいね。